12月下旬に注目すべき3つのアルトコイン:SEI、TAO、ASTERの動向

暗号資産(暗号通貨)市場が慎重な動きを見せる中、BeInCryptoは2025年12月第3週に注目すべき3つのアルトコインとして、Sei(SEI)、Bittensor(TAO)、Aster(ASTER)をピックアップした。各トークンは今週、価格変動の重要な節目を迎えている。SEIは12月15日に約5,556万トークン(循環供給量の約1.08%)のトークンアンロックを控え、短期的な売り圧力が懸念される。TAOは供給量を半減させる「ハービング」イベントが近づき、価格が対称三角保合いの中に収束している。ASTERでは、過去1週間でクジラ(大口保有者)の保有量が約4,270万トークン増加し107%上昇する一方、取引所残高も10.48%増加するという、大口買い手と小口売り手の綱引きが観測されている。これらの特定のカタリスト(材料)が、今後の数日間で鋭い価格変動を引き起こす可能性がある。

概要

暗号資産市場が横ばいの動きを見せる中、2025年12月第3週に注目すべきアルトコインとして、Sei(SEI)、Bittensor(TAO)、Aster(ASTER)の3つが挙げられている。SEIはトークンアンロック、TAOはハービング、ASTERはクジラの積極的な買い増しといった、それぞれ異なるカタリストを目前に控えており、今週の価格動向が重要な局面を迎えている。

背景

暗号資産市場全体は慎重な姿勢が続いているが、個別のトークンには供給量の変化やネットワークイベント、保有者行動の変化など、独自の材料が存在する。こうしたイベント前には価格が特定のパターンに収束し、イベントを契機に方向性が決まるケースが多い。今回取り上げる3つのアルトコインは、いずれも短期的な価格の転換点となる可能性が指摘されている。

テクニカル詳細

* Sei (SEI): 日足チャートでより広い下降ウェッジパターン内で保合っており、このパターンは下降トレンドの終盤に出現しやすい。12月5日から14日にかけて、価格はより安い安値を付けたが、相対力指数(RSI)はより高い安値を形成する「強気のダイバージェンス」を形成している。これは売り手の勢いが弱まっている可能性を示唆する。

* Bittensor (TAO): 日足チャートで対称三角保合いパターンの中に価格が収束している。これは買い手と売り手のバランスが取れている状態を示し、方向性の決断が近いことを示す構造である。

* Aster (ASTER): 11月19日以降の調整から、現在は三角保合いパターン内で価格が圧縮されている。11月3日から12月14日にかけて、価格はより高い安値を付けたが、RSIはより低い安値を形成する「隠れた強気のダイバージェンス」を形成している。これは売り圧力が枯渇しているシグナルとされる。

マーケット動向

* Sei (SEI): 執筆時点での価格は約0.124ドル。過去1ヶ月で約23%、過去3ヶ月で60%以上下落している。12月15日に約5,556万SEI(循環供給量の約1.08%)のトークンアンロックが予定されている。

* Bittensor (TAO): 過去1ヶ月で約15.5%、過去7日間で約6.6%下落している。直近ではボラティリティが低下している。

* Aster (ASTER): オンチェーンデータによると、過去7日間でクジラの保有残高が約3,985万トークンから約8,254万トークンへと約4,270万トークン増加し、107%上昇した。一方、取引所残高は10.48%増加している。

影響と展望

各トークンの今後の動向は、以下のキーレベルが焦点となる。

* SEI: 0.159ドルを明確に上抜けることが買い手の優勢を示すシグナルとなり、0.193ドルなどより高い抵抗帯への反発が期待される。一方、現在の水準から約3%下落して0.120ドルを割り込むと、下降トレンドラインへのブレイクダウンのリスクが高まる。

* TAO: 301ドルを日足で上抜けることが三角保合いからの上放れを示し、321ドル、さらには396ドルへ向かう可能性がある。下値では277ドルが重要な支持線であり、これを下回ると構造が弱まり、255ドル、状況悪化時には199ドルがリスク領域となる。

* ASTER: 0.94ドルを日足で上抜けることが三角保合い抵抗線のブレイクとなり、0.98ドル、勢いが持続すれば1.08ドル(約16%上昇)へ向かう可能性がある。下値では0.88ドルを失うと強気のダイバージェンスシナリオが無効化され、0.81ドルへ下落するリスクがある。

まとめ

SEIはトークンアンロック、TAOはハービング、ASTERはクジラの積極的な買い増しという、それぞれ異なる材料を背景に、2025年12月第3週は重要な価格の転換点となり得る。いずれもテクニカル分析上で方向性の決断が迫るパターンに収束しており、今週の値動きが今後の短期的なトレンドを決定づける可能性が高い。

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