ビットコイン長期保有者の供給量が8ヶ月ぶりの低水準に:強気材料か弱気材料か?

ビットコイン(BTC)の長期保有者(LTH)が保有するBTCの量が、4月以来の低水準にまで減少していることが、Glassnodeのデータから明らかになった。LTH(少なくとも155日間BTCを保有しているエンティティ)の保有量は、7月中旬の1,480万BTCから12月には1,430万BTCに減少し、流通供給量に占めるLTHのシェアは71.92%に低下した。これは、ビットコイン価格が1月の最高値109,000ドルから下落し、74,000ドルで底を打った4月の水準に匹敵する。LTHの供給量は、小売投資家主導の局面やサイクルのピーク時に急減する傾向があり、CryptoQuantのデータによれば、11月26日時点での過去30日間のLTH供給量の減少は110万BTCと、過去2番目の規模に達した。現在の価格下落(84,000ドル付近)をLTHが買い増しの機会と捉えれば、過去と同様に数ヶ月で新たな最高値への回復を促す可能性もある。一方で、技術分析では、BTC/USDが92,000ドルのベアフラグ下限を突破したことで弱含みの構造が確認され、83,800ドルから80,500ドルの支持帯を失えば、68,500ドルまでの深い調整につながるリスクが指摘されている。

概要

ビットコイン(BTC)の長期保有者(LTH)が保有するBTCの供給量が、4月以来の低水準にまで減少している。LTHの保有量は7月中旬の1,480万BTCから12月には1,430万BTCに減少し、流通供給量に占めるシェアは71.92%となった。この動向は、過去のサイクルにおけるピーク時の動きと類似しており、今後の価格動向に対する見方が分かれる材料となっている。

背景

長期保有者(LTH)とは、少なくとも155日間ビットコインを保有しているエンティティを指す。彼らの行動は市場の成熟度やサイクルの局面を示す指標として注目されている。4月には、ビットコインが1月20日の史上最高値109,000ドルから下落し、74,000ドルで底を打った際に、LTHは低価格を買い場と捉え、7月までに保有シェアを76%まで増加させた。その後、ビットコイン価格は65%上昇し、123,000ドルの史上最高値を記録している。

テクニカル詳細

分析企業Glassnodeのデータによると、長期保有者(LTH)の保有量は12月に1,430万BTCとなり、7月中旬の1,480万BTCから減少した。これにより、流通供給量に占めるLTHのシェアは71.92%に低下し、4月以来の水準となった。

マーケット動向

CryptoQuantのデータによれば、11月26日時点での過去30日間のLTH供給量の減少は110万BTCと、過去2番目の規模に達した。12月16日(月曜日)時点では、過去30日間の減少幅は76万1,000BTCとなっており、さらなる価格下落への懸念から、これらの投資家が投げ売り(キャピチュレーション)している可能性が示唆されている。また、過去30日間でクジラ(大口保有者)は27億8,000万ドル相当のBTCを売却しており、下落圧力が持続している。

ビットコイン価格は、50週移動平均線と年間始値である93,300ドルの支持を失い、技術的な構造が弱まった。12月13日(金曜日)に92,000ドルのベアフラグ下限を突破したことで、弱含みのシグナルが確認された。次の注目支持帯は、12月1日のローカル安値83,800ドルと11月21日の数ヶ月安値80,500ドルの間にある。この支持帯を失うと、200週移動平均線が支えるベアフラグの計測目標値である68,500ドルまで、より深い調整が進行する可能性がある。これは現在価格から約20%の下落に相当する。

影響と展望

LTHの供給量が急減する局面は、過去の2017年や2021年のように、小売投資家主導の局面やサイクルのピークに伴う売りが発生する時期と重なる傾向がある。現在の価格下落(84,000ドル付近)を、LTHが過去の4月と同様に買い増しの機会と捉えるならば、今後数ヶ月で新たな史上最高値への回復を促す可能性がある。一方で、技術分析の観点からは、主要な支持水準が崩れれば68,500ドルまでの深い調整リスクが存在する。アナリストは、次の潜在的支持として100週EMA(85,500ドル)を挙げ、それを突破した場合、83,800ドル(ETFコストベース)や81,200ドル(真の市場平均価格)といった主要なオンチェーンレベルが注目されるとしている。

まとめ

ビットコイン長期保有者(LTH)の供給シェアが8ヶ月ぶりの低水準にまで低下している。この動きは、過去のサイクルピーク時のパターンと類似しており、現在の価格下落を買い場と捉えたLTHの買い戻しによる回復シナリオと、主要支持水準の崩壊によるさらなる下落リスクという、二つの対照的な展望を市場に提示している。

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