次期FRB議長候補ハセット、トランプ氏の利下げ要請にも独立性を強調

ドナルド・トランプ米大統領の次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長候補として最有力視されているケビン・ハセット氏は、仮に議長に就任した場合、トランプ大統領の意見は金利決定に「全く重みを持たない」と述べ、FRBの独立性を強調した。ハセット氏は、経済成長を後押しするための大幅な利下げを求めるトランプ氏の要求に沿う、穏健派(ドーヴィッシュ)な候補と見なされている。予測市場Polymarketのオッズでは、ハセット氏が議長に指名される確率は52%で、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏(40%)を上回っている。ビットコイン強気派は、FRBの利下げが今後数ヶ月の強気な価格上昇トレンドを維持する原動力になることを期待している。記事では、ビットコインがFRBの25ベーシスポイント利下げ後の高値94,300ドルを大きく下回る約89,900ドルで推移していることや、アルトコインの不振、市場の「極度の恐怖」センチメントなど、現在の暗号資産市場動向にも言及している。

概要

次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長の最有力候補とされるケビン・ハセット氏が、仮に議長に就任しても、ドナルド・トランプ大統領の意見は金利政策決定に「全く重みを持たない」と述べ、FRBの独立性を強調した。ハセット氏はトランプ氏の経済顧問であり、大幅な利下げによる経済成長促進を求める大統領の意向に沿う穏健派(ドーヴィッシュ)候補と見られている。予測市場Polymarketでは、ハセット氏の議長指名確率が52%でトップとなっている。

背景

ハセット氏の発言は、トランプ大統領が自身がFRBの金利決定に意見を反映できるべきだとする最近の発言を受けたもの。FRBは伝統的に政治からの独立性を保ち、物価安定と最大雇用という二つの使命に基づいて金融政策を決定する機関とされている。現在のFRB議長ジェローム・パウエル氏の任期は2025年5月15日に終了する予定。

マーケット動向

暗号資産市場では、ビットコイン強気派がFRBの利下げによる流動性の増加を期待し、今後の強気な価格上昇を持続させる要因と見ている。記事執筆時点で、ビットコイン(BTC)はFRBの25ベーシスポイント利下げ後に付けた高値94,300ドルを大きく下回る約89,900ドルで取引されている。市場センチメントは「極度の恐怖」に後退し、アルトコインはリスク回避的なムードの中で引き続きアンダーパフォームしている。主要100トークンの半数以上が24時間で下落しており、CoinDesk 20指数はわずか0.16%上昇、より広範なCD80指数は0.77%下落している。ビットコインの支配率は上昇を続けており、投資家が大型時価総額資産を選好していることが示されている。

影響と展望

ハセット氏が次期FRB議長に指名されれば、経済成長を優先し、より緩和的な金融政策(大幅な利下げを含む)へとFRBを傾かせる可能性があると見られている。これはインフレ抑制よりも経済拡大を優先する姿勢への転換を示唆する。金融政策の緩和はリスク資産全般にとって追い風となる可能性があり、暗号資産市場もその恩恵を受ける可能性がある。ただし、FRBの独立性が保たれるというハセット氏の発言は、大統領の意向が直接的に政策に反映されるわけではないことを市場に想起させるものとなっている。

まとめ

トランプ大統領の側近であり、穏健派と見られるケビン・ハセット氏が次期FRB議長の最有力候補となっている。同氏はFRBの独立性を強調しつつも、経済成長を促す利下げに前向きな姿勢を示しており、その指名確率は予測市場で52%に達している。暗号資産市場、特にビットコインは、FRBの金融緩和期待を材料視しているが、現状では利下げ後の高値から後退し、市場センチメントは悪化、アルトコインは不振が続いている。

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