暗号市場全体の下落にも関わらずTerra Classic(LUNC)価格が70%急騰した理由

暗号資産(仮想通貨)Terra Classic(LUNC)は、暗号市場全体が下落する中で顕著な上昇を見せている。2025年12月6日時点で、LUNC価格は前日比約77%上昇し、時価総額は約4億ドルに達した。この急騰は、Binance Blockchain Weekでの出来事や、創業者Do Kwon氏の判決期日(12月11日)が近づいていることへの市場の反応と見られている。専門家らは、市場の流動性が薄い状況での急騰であることから、短期的な反応である可能性を指摘し、注意を呼びかけている。Do Kwon氏は、約400億ドル規模のTerraUSD崩壊への関与を認める有罪答弁を行っており、最大12年の禁固刑が求刑されている一方、弁護側は5年の刑を求めている。

概要

暗号資産Terra Classic(LUNC)は、主要な暗号資産であるビットコインが下落を主導する中、市場全体の動きに反して急激な価格上昇を見せている。2025年12月6日、LUNCは一日で約77%上昇し、時価総額は約4億ドルに達した。この動きは、Binance Blockchain Weekでの出来事と、創業者Do Kwon氏の米国での判決期日が近づいていることに関連していると市場関係者は分析している。

背景

LUNCは、2022年にステーブルコインTerraUSD(UST)と共に崩壊した元のTerra(LUNA)ブロックチェーンの残存トークンである。その崩壊は約400億ドルの価値を消滅させ、暗号市場全体に大きな影響を与えた。創業者のDo Kwon氏はこれに関与した詐欺罪で有罪を認めており、近く判決が言い渡される予定である。

市場分析

CoinMarketCapのデータによると、LUNCは12月6日に約0.0000403ドルの安値から約0.00007314ドルの高値まで上昇し、一日で約80%の上昇率を記録した。さらに、過去1週間では約160%上昇している。この上昇は、暗号市場全体が下落する中での異例の動きとなっている。市場専門家のエバン・ルスラ氏は、Binance Blockchain WeekでCoinDeskのイアン・アリソン氏が古いLUNAのTシャツを着ている映像が話題となったことが、このアルトコインへの新たな注目を集めた一因だと指摘している。

投資家の視点

市場関係者からは、この急騰に対する慎重な見方も示されている。市場評論家のブライアン・ローズ氏は、LUNC、LUNA、USTCの最近の急騰は、市場の流動性が薄い状況を考慮すると注意して見る必要があると指摘。Do Kwon氏の裁判関連ニュースへの短期的な反応である可能性が高く、真の需要に基づくものではないかもしれないと述べている。同氏は、イーサリアム上での意味のある流動性を伴わない今回の価格上昇は、真のデカップリング(相関関係からの分離)とはまだ言えず、少なくとも48時間、急落なく上昇を維持する必要があるとコメントした。さらに、現在のLUNCの価格活動は、実際の流動性に基づく買いというよりは、取引所のボットが注文をシャッフルしているように見えると懸念を示し、市場参加者に対し冷静な観察を促している。

まとめ

LUNCの急騰は、特定のイベント(カンファレンスでの話題)と近づく法的イベント(創業者の判決)が組み合わさった、流動性の薄い市場における短期的な反応である可能性が高い。投資家は、この動きが本質的な価値向上によるものか、一時的な現象かを慎重に見極める必要がある。

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