概要
デジタル資産企業BitMine(共同創業者兼会長:トム・リー氏)は、2025年12月5日と6日の48時間以内に、合計約2億ドルを投じてイーサリアム(ETH)を追加購入した。これにより、同社はイーサリアムの単独最大保有企業としての地位を強化した。購入はETH価格が約1ヶ月ぶりの安値圏で行われ、中規模保有者による売りが続く市場環境下での動きとなった。
背景
BitMineは先週、2025年11月30日時点で373万ETH(時価換算で110億ドル以上)を保有していることを開示していた。同社はこれに加え、192 BTC、Eightco Holdingsへの3600万ドルのポジション、および8億8200万ドルの現金を保有していると報告している。オンチェーンデータによれば、ETHは過去1ヶ月で10%以上下落し、約3,027ドルで取引されている状況だった。
企業動向
BitMineは具体的に、12月5日にFalconXとBitGoから約1億3080万ドルで41,946 ETHを購入した。続いて12月6日には、BitGoから約6870万ドルで22,676 ETHを購入した。後者の取引における平均購入単価は約3,028ドルと推算される。これらの購入により、同社のETH保有量はさらに増加した。
市場分析
BitMineによる大規模購入は、ETH市場が軟調な局面で行われた。BeInCryptoのデータによれば、ETHは過去1ヶ月で10%以上下落し、約3,027ドルで取引されている。Alphractalの「イーサリアム蓄積ヒートマップ」によると、1〜10,000 ETHを保有するウォレットは、直近のサイクルの高値付近で活発に売却しており、これらのアドレスからの売り圧力が市場に継続しているとされる。一方、10,000 ETH以上の大規模保有者(ホエール)の動きは限定的で、軽微な売りはあるものの、強い買い戻しは見られていない。
業界への影響
StrategyのETHリザーブデータによると、BitMineのETH保有量は、SharpLinkやイーサリアム財団などを含む次点5社の合計保有量を上回っている。その資金規模により、BitMineはビットコイン最大の企業保有者であるマイケル・セイラー氏率いるMicroStrategyに次ぐ、時価総額ベースで第2位の企業の暗号資産保有主体となっている。
投資家の視点
市場の弱含みにもかかわらず、複数のアナリストは長期的な強気の見方を維持している。BitMine会長でありFundstratのCEOでもあるトム・リー氏は、ビットコインが25万ドルに達した場合、両資産の歴史的関係と現実世界資産のトークン化への需要増加を理由に、イーサリアムは1万2000ドルに達する可能性があると述べた。さらに、イーサリアム対ビットコインの評価比率が時間とともに拡大すれば、イーサリアムは最大6万2000ドルまで上昇する可能性があるとの見解を追加している。
まとめ
BitMineは軟調なETH相場の中で大規模な追加購入を実行し、その圧倒的な保有量をさらに増加させた。これは同社のイーサリアムへの強いコミットメントを示すと同時に、トム・リー氏をはじめとする関係者の長期的な強気シナリオに基づく戦略的な動きと見ることができる。