概要
暗号資産カルダノ(ADA)の価格が、技術的分析(テクニカル分析)に基づき、現在の水準から最大50%の下落リスクに直面しているとの見方が示された。この弱気シナリオは、逆カップアンドハンドルパターンなどの特定のチャートパターンに基づいている。一方、来週に予定されている「ミッドナイト」サイドチェーンのローンチが短期的な価格の押し上げ要因となる可能性はあるが、最近の新規プロジェクトのパフォーマンスや市場心理を考慮すると、下落トレンドを根本的に覆す可能性は低いと分析されている。
背景
カルダノ(ADA)の価格は、過去数ヶ月間にわたり下落圧力にさらされてきた。高値である1.0160ドルから現在の約0.4300ドル付近まで下落を続けており、一連の安値切り下げと高値切り下げを形成する弱気トレンドが継続している。10月22日には、50日と200日の指数移動平均線(EMA)が交差する「デスクロス」パターンが形成され、弱気の見方が確認された。
市場分析
テクニカル分析によれば、ADAの日足チャートは、上限が1.0183ドル、下限が0.5015ドルの「逆カップアンドハンドル」パターンを形成している。現在、価格はこのパターンの下限を下回っており、弱気のブレイクアウトが確認された可能性を示唆している。さらに、垂直下落後の三角保ち合いからなる「弱気のペナントパターン」も形成中とされる。
これらのパターンに基づく下落目標価格は、カップ部分の高値から下限までの距離を測定し、その距離を下限から下方に投射することで算出されており、その結果、約0.2495ドル(現在の水準から約50%下落)が示されている。重要な抵抗線は0.50ドルとされており、これを上回らなければ弱気シナリオが有効とみなされる。
企業動向
ADA価格の主要な材料として、開発チームが来週月曜日にサイドチェーン「ミッドナイト」のメインネットをローンチすることが挙げられている。このローンチにより、開発者はネットワークの成長を開始でき、また「Glacier」エアドロップに参加したユーザーがトークンを請求できるようになる。これはカルダノとそのエコシステムにとって良い材料である。
投資家の視点
「ミッドナイト」ローンチはADAにとっての潜在的な材料ではあるが、最近ローンチされたMonad、Keeta、Plasma、Somniaなどのプロジェクトが期待されたパフォーマンスを発揮できず、そのトークン価格が史上安値付近で取引されている事例が指摘されている。さらに、主要なイベント前に資産を買い、イベント発生時に売却する「ニュース売り」が発生するリスクも存在する。記事では、チャールズ・ホスキンソン氏(カルダノ創設者)には「約束過多で成果不足」の実績があるとの見方も示されている。
まとめ
テクニカル分析は、カルダノ(ADA)が現在の弱気トレンドを継続し、さらなる大幅な下落リスクに直面している可能性を示している。近々予定されている「ミッドナイト」のローンチはポジティブな材料ではあるが、最近の市場環境やプロジェクトのパフォーマンスを考慮すると、これが下落トレンドを逆転させる決定的な要因となる可能性は低いと見られている。投資判断の前に自身での調査(DYOR)が強く推奨されている。